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発酵経営

カテゴリ:経営      2011年1月16日

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今日は、千葉県神崎町で3百年続く酒蔵の寺田本家の23代当主である寺田啓佐氏を訪ねた
寺田さんは、私が今一番会いたいと思う経営者で今朝は道中久しぶりに胸のときめきを覚えた

昨年初めて、寺田本家が作る「むすひ」を飲み、私の日本酒の概念が壊れた
美味いという感覚と同時に優しさのようなもの、そして不思議な感覚が伝わった
そこから、あたかも自分で引き寄せたかのように寺田さんの著書「発酵道」を友人から借り、生き方、経営道に感動した
著書には、これからの日本人の生き方、これからの会社経営のヒントが詰まっており、ぜひお会いしたいと思った

今日は、それが縁あり実現したわけである

寺田本家は代々婿が生まれず、婿養子を迎え会社を継続してきた
啓佐氏も同じように迎えられ23代当主となるのだが、婿入りした前年の1973年に日本酒の国内消費量は下降線をたどり同時に会社売上げは右肩下がりに落ち始める
そこに近代経営を持ち込んだり、そばや、居酒屋と異業種をやるが全てうまくいかない
酒蔵の番頭は辞め、社員は一人辞め、二人辞め、酒蔵に婿入りして10年目、ストレスから自分自身の腸が腐り入院、腐った部分をそっくり取り除く壮絶な手術を体験する
そして、病床で
「人間として生きるとは?」
「いかに自然との関わりを方を見直すか」
そして
「発酵すると腐らない」
「なすだってきゅうりだって、そのまま放置していれば腐敗するが、ぬかみその中に入れて発酵すれば腐らないそして発酵すれば漬物という別のものに変化する」
そんな自問自答から、35歳の時に「自然の原点に戻って酒造りをしたい」無農薬、無添加で「百薬の長」となる本物の日本酒を目指した

戦後の日本酒業界は、大量に酒を造るために、醸造アルコール、醸造用糖類、グルタミン酸ソーダを添加する
これにより元の3倍量の酒ができる、このやり方を覚えると人件費も削減できるし、量産も苦労しない、酒造メーカーにとってはまさに「おいしい酒」なのだ
実は、日本酒は二日酔いしやすいといわれたのは事実ではなく、添加物による悪酔いだったのだ

「百薬の長」となる本物の日本酒を造るために、農薬米から3倍のコストの無農薬米に変え、製造法も「速醸」から「山廃」という昔ながらのやり方に変え、そして「五人娘」という酒が誕生する
その後、発芽玄米酒「むすひ」が生まれるのだがこの酒を飲んだ人から、「血圧が156から130に下がった」「便通がスムーズになり、痔が治った」「よく眠れるようになり、手足が温かくなった」
という声が寄せられるようになる
まさに、目指した「百薬の長」となる本物の日本酒、奇跡の酒の誕生である

この日、寺田さんから教えていただいたことは

・発酵とは変化して別のものになる

・正しいことをやるのではなくて、楽しいことをやる

・人事を尽くして天命を待つ ではなくて 天命に任せる

・人間も微生物のように発酵しながら生きれば、争わなくとも生かされる

今、寺田本家は、100年に一度の好景気だそうだ
確かに、私の大好きな「むすひ」は、ネットでも買えなくて予約である

「酒蔵を拡大するお気持ちはありますか?」
とお聞きしたのだが
「全く考えていない」
とお答えになった
でも、この質問は道中に用意していたのだが予想通りの答えが返ってきた

寺田さんの著書「発酵道」お奨めです

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桐谷晃司

1964年生まれ。スタートアップスクエア(株)、デジパ(株)代表取締役社長。世界30ヶ国を放浪した、自称スピリチュアルビジネスマン。

現在は南房総の千倉町で半農半Xな暮らしを目指しながら、循環型のエコビレッジ「あわ地球村」を創設中。

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