デジパを退職後、大企業で正社員として働くも、2018年再びデジパのパートナーとしてメンバーに復帰したデザイナー。心境の変化と"出戻り"を選択した理由について話を聞いてみました。

角森 裕行1981年生まれ、島根県出雲市出身。
2006年にデジパに入社し、2008年からパートナーに。2016年に一度離れ別の道を歩んでいたが、2018年から再びパートナーとしてデジパメンバーに復帰。パンクロックとゲームとスケボーのカルチャーで形成されていて、丁寧なデザインを心がけているデザイナー。

デジパとの出会いとパートナー卒業

(聞き手/デジパ:木下)

木下:デジパとの出会いを教えてください。

角森:僕が新卒で入った会社で出会った、とあるデザイナーさんの転職先がデジパだったんです。その人に「デジパでコーダーが足りないから来ない?」と声をかけてもらったのが入社のきっかけですね。デジパのことは新卒就職活動の時から就職情報サイトに載っていた社内風景や仕事内容を見てすごく気になっていた会社だったので二つ返事で「行きます!」って答えました(笑)新卒入社の会社ではデザイナーとしてやっていたんですが、ちょうどMovable Typeが日本語化されたり、各社こぞってブログサービスを立ち上げていてブログが流行り始めてきた時期で、自分自身もそれがきっかけでHTMLとCSSのコーディングに興味が湧いていて、声をかけていただいたことに喜んで応えて入社しました。その後はデザインの仕事も多くなって、いつのまにかまたデザイナーになっていました(笑)

木下:デジパに入社してから10年、パートナーになってから8年経って、2016年にデジパを離れることにした理由は何だったのでしょうか?

角森:実はあまりデジパは関係ないんですよ。自分の中で仕事の姿勢とか環境が行き詰まっていて。当時は独り身だったのもあるかもしれないけど、家で一人で仕事をするのがかなりストレスになっていたんですよね。身近で一緒に仕事をしている人がいないと感じて寂しかったのもあるし、自分自身業界に追いついていけてない焦りとかもあって、一人でやることの限界とかを日々感じていました。最大のきっかけとしてはデジパとは関係ない、個人で関わっていた大きな案件が失敗してしまっていろいろなものが爆発したことかもしれません。
ただネガティブなことだけではなくて、単純に向上心というか、パートナーを一度やめてもっと大きい会社で挑戦してみたいということも考えるようになっていました。自分のレベルアップと環境リフレッシュというのが一番大きかったですね。

「やっぱり自分はデザイナーでいたい」
再びデジパメンバーに

木下:新しい会社で1年半ほど正社員として働いて、またデジパにパートナーとして戻ってくることになりましたが、考えが変わったきっかけは?

角森:会社の体制・方針が色々と変わってきたことかなと思います。クライアント業務であるデジパとは違って、社内サービスの運用・改善をしていくインハウスデザイナーとして働いていたんだけれど、スクラム開発を全社的に取り入れていこうということになったんです。スクラム開発ってデザイナー、ディレクター、システムといった役職は重要ではなくて、チームの開発メンバー全員が何でもできるように、誰でもいつでも対応できるように、というのが基本姿勢の開発方法なんですよね。それ自体は色々なことを手広くできそうで楽しみではあったんだけど、いざ始まってみるとどんどんデザイナーとしてのアイデンティティが薄まってくるというか、やっぱり自分はデザイナーでいたいという気持ちとは裏腹の開発環境になってきてしまって。デザイナーとしての仕事が1、2週間全くなくて、システムテスト要因として作業することが多かったり、1週間資料を作成しているだけの時もあって、デザインに関わるクリエイティブなことができないというのはやはりストレスを感じてしまいました。ちょうどその時にデジパのオフィシャルサイトで「デジパ遊び場」を見つけたんです。久々にデジパメンバーとお酒を飲みながらいろいろな話をして、今後自分がどうなりたいのかっていうのをまた改めて考えたんです。最終的には家族の後押しもあって、再びフリーランスという道に行くことにして、そうなったらやはりまたデジパのパートナーとしてお世話になろうかな、という思いで戻ってきました。

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木下:なぜ再スタートの場所にまたデジパを選んだのでしょうか?

角森:会社員をこのまま続けるか悩んでいた時期に桐谷さんと食事する機会があったんです。そこでも将来のこととかをいろいろ話をしました。その時に、またデジパ戻ってこないかという話もいただいて、そういう風に求めてくれるところで働いた方が今後もデザイナーとしていい仕事ができるんじゃないかなと思って決断しました。それにデジパはいろいろなことを自由にやらせてくれて、それに見合った対価もきちんとしていて、そういう意味ではフリーとして働く自分にとってはとてもいい環境の会社ですね。柔軟すぎるほどに柔軟。作ったもの、やったことに対してはしっかり評価もしてくれるし、社員であってもパートナーであってもアルバイトであっても、いろいろなことに挑戦してみたい、やってみたいって人にはすごく合っている環境でもありますよね。

木下:そこがデジパのいいところであり強みでもありますよね。
改めてパートナーとしてデジパと出会ってみて、離れる前とで気持ちの変化はありましたか?

角森:そうですね。
デジパに社員として入社後、途中からパートナーになって8年間やっていたけれど、その後半くらいからフリーランスでいることがいろいろと大変になってきていて、少しずつ自分の中でフリーランスを辞める=デジパを抜けるという考えが積み重なってきていたのかなと今は思います。それに言い方は悪いんだけれど、パートナー時代の後半、自分はすごく調子に乗っていたなって思っていて(笑)当時はもちろんそんな風には思っていなかったんだけれど、振り返ってみると自分に厳しくできもしないのに、長年やっているからと熟れた感を出して仕事していたなと。
一度デジパを抜けて大規模な会社に正社員として入社して、デジパとは違う仕事を経験して戻ってきた今は、前のデジパのパートナーとしてのフリーランス時代と、先日までの正社員時代のどちらの環境も経験しているから比較もできるし、自分自身を反面教師のように捉えられるし、とてもすがすがしい感じがしています。デジパのクレドにもあるけれど、「過去の成功体験に縛られない」という感じです。前の会社にいた期間がある意味クッションみたいな効果をもたらしていて、もちろんしっかり仕事はしていたんだけど、自分のデザイナー人生の休憩時間だったなと思っています。これからはパートナー生活シーズン2って感じです。シーズン2は盛り上がっていくんじゃないでしょうか(笑)

木下:シーズン2、楽しみにしています!
ありがとうございました!