デジパは14年間で9名の起業家を輩出しています。
その一人である株式会社Resorz代表のヒッピー経営者、兒島さんに話を聞きました。

株式会社Resorz 代表取締役 兒嶋 裕貴1980年生まれ。
早稲田大学卒業後、世界30カ国を放浪。テレビ番組制作会社、デジパを経て2009年株式会社Resorzを設立。

Digima~出島~

海外に出やすいプラットフォームをつくり、
日本を文化立国するということが目指すビジョンです

(聞き手/デジパ:桐谷)

桐谷:事業内容について教えてください。

兒嶋:オフショア開発などの海外進出や、事業をアウトソースしたい日本企業様向けの海外ビジネスプラットフォーム事業(Dejima ~出島~)をやっています。民間版JETRO(日本貿易振興機構)さんのようなサービスですが、海外進出に関してのお悩みは、弊社にご相談いただければ必要なものは全て揃いますよというところまで目指しています。

桐谷:デジパでの経験は起業するうえでどんなことが参考になりましたか?

兒嶋:会社というものに対して固執したイメージを持っていたのが、「こんな自由な会社もあるんだ」と、いい意味で楽に考えられるようになったことです。
中学生の頃から「サラリーマンになる」という選択肢は自分の中に無かったんです。時期的なことは別として、漠然と「いつかは自分の会社をやるんだろうな」というのはありました。大学卒業後海外放浪などを経て、デジパに入社しサラリーマンをしたわけですが、一般的なそれとは全く別の働き方をするサラリーマン時代でした。
また、桐谷さんの「経営者はアーティストである」という言葉をよく覚えています。いま自分が経営をするようになって、しっくりくる感がありますね。

桐谷:「Dejima~出島~」の知名度は急上昇中ですが、どのようにして人脈を広げていったのですか?

兒嶋:私たちのサービスの使命を語り、「日本を文化立国する」というビジョンを伝えたら、自然と応援する人が増えたという感じです。
海外進出する企業・個人・クリエイターを増やしていくこと、海外に出やすいプラットフォームをつくり、日本を文化立国するということが、本来弊社で目指すビジョンです。この事業を通じてサポート企業がつながり合う中で、私たちの目指すところをただ伝えていったら、自然とファンがついてくれたという(笑)。

桐谷:起業までに何度も世界を放浪したりと、経営者としては異質ですが、人生に何を求めていますか?

兒嶋:引き続き「いかに楽しく生きるか」の追求を続けると思います。また、会社については「正のスパイラル」でまわっていく会社にし、「楽しくやって結果を出す会社」を自分たちの方法で見せていきます。私は大学卒業後、周りがエリート街道を進む中で就職もせず海外放浪をしたりして、自分の進路について悩んでいるタイプだったんですが、「周りの目を気にせず、自分の幸せを追い求めていい」と認めてくれる社会があればそんなに悩むことは無かったかもしれない。この社会を、多様性を受け入れられるより良い形に変えていけると思っていますし、そのために一石を投じるようなことはやっていきたいと思っています。それから、「日本の文化立国」です。
海外に行く度に日本のいいところ・ダメなところの発見があって、その積み重ねがあり現在の事業に結びついたのですが、日本にしかない「和をもって尊しとなす」という共生の意識は、グローバリゼーション一直線の世界をより良い方向に導くことができると本気で思っています。
日本が世界に対してユニークだと言えるのは、1つの民族が1つの島で守ってきた独特の世界観、その一点だけです。ですから日本のクリエイターさんたちにはどんどん海外に進出して、日本の文化を伝えていってほしいと願っていますね。