一番肝心なのは、ユーザーの声に真摯に取り組もうとする企業側の意識や姿勢だと思います。

ブログやCMSといったツールが普及し、企業サイトは、一昔前の「更新されないホームページ」から、情報を積極的に発信する「メディア」と変化してきています。「とりあえずホームページを持っておく」から「どのように顧客やユーザーに情報やメッセージを届けるか」というステップに完全に入っていると言えるでしょう。

では、この次のステップはどのようなものでしょうか。

情報発信はあくまで一方通行です。企業ウェブサイトがメディアとしてメッセージを発するだけでは、一方通行の情報流通にすぎません。次にやるべきことは、顧客やユーザーのメッセージをこれまで以上に受け取る努力をすることでしょう。ユーザーからのフィードバックを受け取り、その対応を発信し、さらにそのフィードバックを受け取り......。

そう、次のステップはユーザーとのコミュニケーションです。

ユーザーもまた、ブログをはじめとした情報発信ツールを本格的に使い始めました。CGM(Consumer Generated Media)やUGC(User Generated Contents)といった言葉に代表されるように、消費者・ユーザーが発信する情報もまた価値あるものとして存在を認められてきています。いわゆるウェブにおける口コミもその一種です。

ユーザー発信の情報が価値あるものとして認められてきているということは、企業からの一方的なメッセージをユーザーが文面どおりに受け取らなくなってきているということも意味していると思います。いや、これまでも実際はそうだったのかもしれませんが、これまで以上にユーザーの意見が視覚化されてきているのは間違いないでしょう。

ユーザーは、企業と対等に対話するツールを手に入れました。これを脅威と受け止めるか、機会と受け止めるか。企業は、ユーザーの声を聞いて企業の価値を高めるチャンスを、これまで以上に得られるようになったと捉えるべきでしょう。

もちろん、企業とユーザーの間にこれまでコミュニケーションがなかったわけではありません。コミュニケーションが昔から重要なのは変わりませんが、これまで以上にユーザーの声に敏感にならなければいけないということです。

ユーザーは意思を持って情報発信します。そしてそれはコントロールすることはできません。

  • ユーザーの声を聞き、向き合おうとする姿勢
  • クオリティの高い商品やサービス
  • オープン性、対話性

この3つが、今後企業ウェブサイトから感じ取れるようにならなければいけないでしょう。

ブログなどを利用したコメントやトラックバック、SNSなどのコミュニティ、RSSなどのフィード、アクセス解析によるユーザーニーズの分析とコンテンツへの対応(これもひとつのコミュニケーションでしょう)、そういった技術的なコミュニケーションツールはどんどん発達し、また取り込むことも容易になってきました。

一番肝心なのは、ユーザーの声に真摯に取り組もうとする企業側の意識や姿勢だと思います。

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