文字情報の最適化 UDフォント
UDフォント利用率は2011年が29%、2012年が36%、2013年が44%(引用:PJ web news【印刷ジャーナル】)と年々増加しており、こうした社会構造の変化に対応するためユニバーサルデザインの考え方を取り入れる動きが加速しています。
総務省の発表(2013年9月)によれば65歳以上の高齢者は総人口に占める割合の25%となり日本人の4人に1人が高齢者となりました。インターネットユーザーのシニア層は全体からみればごくわずかであるものの今後も増加していくことが予想でき、ものづくりの現場においてできる限り多くの人への配慮が求められています。
フォントの分野では、モリサワフォントリサーチ2014のアンケート結果によると、UDフォント利用率は2011年が29%、2012年が36%、2013年が44%(引用:PJ web news【印刷ジャーナル】)と年々増加しており、こうした社会構造の変化に対応するためユニバーサルデザインの考え方を取り入れる動きが加速しています。
UDフォントとは
視覚情報の多くは文字によるものとされています。正確に情報を伝達するため視力の衰えや障がいの有無など幅広い身体能力に対応させ、見やすく読みやすい文字情報に近づけるためにUDフォントは役立っています。ではUDフォントとはどのようなコンセプトで作られているのでしょうか。
- 認識しやすい(視認性)
- 誤読しにくい(判読性)
- 文章が読みやすい(可読性)
UDフォントの特徴として、文字情報を読みやすくするために視認性・判読性・可読性を高める様々な工夫が施されています。書体デザインは比較的簡素なものが多く、類似する文字を判別しやすいようにはっきりと区別していたり、アキをしっかりと確保することでふところが深くなるため、文字が細かくかすれたり潰れにくいというのもUDフォントのもつ性質といえます。
主なUDフォント
イワタUDフォント
イワタUDフォントはパナソニックとの共同開発により2006年に発表されたUDフォントの先駆けです。
http://www.iwatafont.co.jp/ud/
モリサワ UDフォント
国内最大手のフォントメーカー、モリサワによるUDフォント。幅広い用途に対応する豊富なラインアップが特徴です。
http://www.morisawa.co.jp/font/about/knowledge/ud/
ヒラギノUDフォント
Mac OS X および iOS の標準日本語フォントであるヒラギノのユニバーサルデザイン書体です。
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/
モトヤ UDフォント
Google の Chrome OS に採用されたモトヤフォントを有する老舗フォントメーカーのモトヤによるユニバーサルデザイン書体です。
http://www.motoyafont.jp/images/shotaisample/motoyaudfont.html
その他のUDフォント
UDフォントを使った事例
前述のとおりUDフォントの利用率は増加傾向にあり、公共施設のサインや出版物、電化製品など多種多様な分野で用いられています。
(引用:株式会社イワタ イワタUDフォント)
また食品の成分表示や取扱説明書、CSRレポートといった企業の説明責任を問われるケースにおける活用事例も多くみられ、コーポレートサイトなどWebにおいてもUDフォントの導入は非常に有効な手段といえるのではないでしょうか。
(引用:株式会社イワタ イワタUDフォント)
SEIYUのコーポレートサイトではUD新ゴをWebフォントとして採用しています。
最後に
社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会とイワタ、電通が共同開発したUDフォント「みんなの文字」は、Webフォント版のみ無償で提供されています。Web制作者にとってはUDフォントを手に取りやすくなり、単なる美しさだけでなく読みやすさを追求したフォントは情報格差の是正に大きく寄与していくのではないでしょうか。
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