商品名やサービス名、店の名前などを企画するネーミングは、その売り上げを大きく左右することもあり、とても重要な要素です。

百貨店の地下などに入っているケーキ屋さんの「キース・マンハッタン」や「グラマシーニューヨーク」。このケーキのブランドを展開しているのは、愛知県の丸信製粉の子会社プレジィールだという件。

アイスクリームの「ハーゲンダッツ」は、アメリカ人によって生まれたアメリカの会社で、デンマークぽっかったりドイツっぽかったり北欧っぽかったり聞こえるネーミングも、実はイメージだけでつけられていたという件。

商品名やサービス名、店の名前などを企画するネーミングは、その売り上げを大きく左右することもあり、とても重要な要素です。

しかし、そのネーミングから私らが勝手に「これってそういうものか!」と勘違いして、企業もそのネーミングのイメージにまかせて売っていたら、「え、そうじゃなかったの?」と私らが知ったときのギャップが大きいほど、その後のマーケティングってむずかしいような気がします。

たとえば、「キース・マンハッタン」というキーワードで検索したときに、検索結果の上位にその「ちょっとしたがっかり感」について書かれたページが表示されたりするのですが、いわゆる「レピュテーション・マネジメント」という観点から見れば、あまりよろしくないわけです。

※レピュテーション・マネジメントとは、評判や世評を企業価値として捉えて管理するという考え方のこと。

きっと「キース・マンハッタン」や「グラマシーニューヨーク」のケーキには何かしらのコンセプトがあり、マンハッタンやニューヨークの地名を冠する理由があるとは思うのですが、プレジィールのウェブサイトからは残念ながらそれは伝わってこず、「愛知県の企業がなんだか知らないけどアメリカの地名を使っている」という謎や違和感が残ります。

きっと、できることはいっぱいあると思うんですね。少なくとも情報発信という点では、ウェブサイトに限らず、ブランドメッセージを伝えるということをもっと大きく展開しなければいけないのではないかなと思います。

ハーゲンダッツは、少なくともそのブランドの由来を公開しています。まあ、この情報を日本人がどれだけ知っているのかはわかりませんし、これを知ったとてその後の購買意志にそれほど大きな影響を与えないような気もしますが、それはたぶん「騙された感」が弱いからかもしれません。異国であるアメリカの企業が、異国である北欧を勝手にイメージしてネーミングしても、私らが思うのはまだ「異国」のイメージ。アメリカだろうが北欧だろうが、外国のブランド。

一方、「キース・マンハッタン」や「グラマシーニューヨーク」は実は愛知県海部郡蟹江町の企業だといわれたら、「異国」のはずが愛知県というのは、やはりそこにはなんだか騙されている感が。

コミュニケーションがうまくいっていないと思うんですね。

もっとブランドメッセージを。

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