私の今の悩みは、大阪に居る89歳の母親の介護問題である
それを、83歳のゲシュタルト療法ファシリティターであるトヨコさんにカウンセリングをお願いした
トヨコさんは丁寧に話を聞いてくれた後、エンプティチェア(配役を椅子に見立てて自分がそれぞれの椅子の配役になり切る心理メソッド)を使い、母親と妹、私の座を作るように提案してくれた(椅子を配置することにより「座」ができあがる)
最初は、母親と妹の椅子がピッタリ引っ付いていて、私が遠くからその二人と対面している「座」だった
トヨコさんのカウンセリングが進むに連れて、椅子の配置が変化し始める
完全に引っ付いていた妹と母親の椅子が少し離れ、妹と私の距離が近くなった
そうすると自分の中に気づきが生まれた
「妹と腹を割って話していない」
次に自分の中にあるアイデアが浮かんだ
次の日、オンラインで妹と腹を割って話して、アイデアを話した
そうすると、少しだけ現実が動き始めた
私には、妹に対する罪悪感(母親の介護を押し付けてしまった)があった
ゲシュタルト療法のエンプティチェアは、椅子を使って配置を作るだけで「場」のエネルギーを作ることができる
今まで、問題だと思っているのに、何もしていない自分に悶々としていた
それを母親と同世代の、トヨコさんのカウンセリングから解決のヒントを得れた
現実を変えるには、まず「気づくこと」、そして「少しでもよいので出来るだけ早く行動に移すこと」である
なぜ、「出来るだけ早く」かと言うと、人は時間の経過とともに、感動して抑揚したエネルギーが小さくなる傾向があるからだ
映画を例に取ると分かりやすいのだが、誰しも映画館を出た時から、情動が刻一刻と冷め始める
だから、「感動即行動」が大事
ゲシュタルト療法のエンプティチェアは、家族問題
企業の人間関係問題の解決に役立つのではという直感があり、今年はゲシュタルト療法にコミットして学んでいる
先日は、ゲシュタルト療法の第一人者である、百武正嗣さんのレクチャーを受けた
代表的な「ルビンの杯」という図版を使って
「図」と「地」という話をされた
「杯」という「図」に意識をフォーカスすると「地」の「対面する人の顔」が見えない
「杯」と「対面する人の顔」は同時に見ることができない
頭が固くなっていくと交互に見ることができない人も現れる
これが、私たちに起きていることで、トラウマも説明できる
「父親は怖い」「女性は目立ってはいけない」「社会はやさしくない」等、「図」の固定観念が優位になり過ぎると「地」を見ることができなくなる
これが、生きることを難しくしている一つの要因である
ゲシュタルトとは「全体性」という意味で、一瞬、一瞬、「杯」と「対面する人の顔」の選択ができる
両面を見ることができる心のスペースをつくることが心理療法では可能になる