物質経済の行きつく先

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週末に、小学校の息子と二人で高尾山にハイキングに行った
昨秋も同時期に高尾山に行ったのだが、あきらかに人が増えている
この山は、3年連続で歩いているが、山道もロープーウェイ乗り場も駅の改札もピーク時のリゾート地のような雰囲気だ
よく観察すると、20代が増えているの気づく
「山ガール」という言葉だけは知っていたが、カラフルなバックパック、ウェアー、靴等、で身を固めた若者たちを見ていると日経新聞に書かれていた「モンベル社等の山業界が新しいマーケットを切り開き業績が上がっている」という記事の事実を確認した
20代の女性連れ、合コンぽい雰囲気の男女グループなど、確かにいままでいなかった山風景を感じて下山をした

子供がSUICAを家に忘れたので、駅で切符を買おうとしたら長蛇の列ができている
最近、並んで切符を買うということがないので久しぶりにストレスを感じながら列に並んだ

「おさいふ携帯」が発売されて以来、電車、コンビニ、タクシー等の支払いに電子マネーを使うようになり、280円の買い物をするときに270円まで小銭を持っていたのだが、最後の10円がなくシブシブ千円札を出して小銭がまた990円になるという小さなショックを受けることが大分なくなった

電子マネーとはお金でお金を買う行為なのである

先日、経済アナリストの藤原直哉氏の勉強会に出席した
もう15年以上、藤原直哉氏の著書、レポートを読んでいるのだが今後の世界経済予測に関しては彼の予測を、私は一番納得している
彼の、講話の中で「物質経済が行き着いたら買うものがなくなり、お金でお金を買う時代になる」と言っていたが、その言葉はものすごく私の腑に落ちた

私の住んでいる南房総地域でも、屋根の葺き替えだけに1千万円かかる藁葺きの古民家を買ったりする人がいたりする
京都でも町屋を買ってそれを復元して住みたいというが増えてきて、今の相場は最低2億円だそうだ
2000年以前は、町屋を買う人の多くは不動産業者で低層マンションに立て替えた
この現象を藤原直哉氏に言わすと、「行きつくしてしまって文化を時間的に選択して買う時代に入った」と表現されていた
つまり、今までは高層の景色のよいマンション、庭のある近代建築の一戸建てが多くの人の行きつく先だったのだが、行きつくしたがために選択の幅が未来ではなく過去にまで遡ってしまったのだ
本当の意味で、買い物が選択の時代に入ったのだと実感する

そういう意味では、近未来の予想を手塚おさむが当てていたのを感じる
「鉄腕アトム」「火の鳥」どれも振りかえるとすごい作品だ