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「時流」カテゴリの記事一覧

今年のテーマは「信頼」

カテゴリ:時流      2010年1月 5日

4日の日経新聞で政府が、社会起業家を増やす目的で介護、育児関連で起業する人に対して最高300万円、800社を目標に出資するという記事が出ていた

これはちょっといいニュースだ
最も、目標達成したとしても出資総額はたった24億円である
今回の予算編成を見ていて疑問、憤りを感じている人は多いだろう
私もその一人である
日本の未来に対する、ビジョンと投資がない

国は新たな政策投資銀行をつくるべきだと私は常々思っている
銀行は中小企業には融資しない、ベンチャーキャピタルもアーリーステージの企業には投資しないでは、起業する人が日本からいなくなってしまう

パラダイムシフトが起きている今、日本を再生するためにも、環境エネルギー、医療、観光、教育、農業等のこれからの産業を立ち上げるアーリーステージの企業、技術を持つ中小企業に投資をする仕組みを作って欲しいと思う

ダライラマ14世が年頭挨拶で、世界を覆っている景気後退の波について「金銭万能の価値観が崩れつつある。信頼感や誠実さ、愛情など人間としての本源的な価値を見直すべきだ」
と語っていたが、私の中でも今年のキーワードは「信頼」である

グローバライズからローカライズで、ローカルで小さくともそこに信頼関係があればダライラマの言うように人は幸せ感を持って生きていけるはずだ
そんな、未来型ビレッジプロジェクトを今年は南房総で始めてみることにした

信頼感を強めるには、顔の見える小さなコミュニティの取引を活発化させればよい
農作物は、スーパーではなく顔見知りの農家から買う、魚は顔見知りの漁師が獲った近海物を買う、家を建てるなら地元の大工に頼む
価格は大量生産ではないので割高かもしれないが、農薬も、手抜き工事の心配もなく信頼感の中で生きていける

半農半Xの時代が来ると5年前から言いはじめたが、今年は自分が実践してみようと思う

地域通貨の可能性

カテゴリ:時流      2009年12月17日

今年もいろいろな勉強会、セミナーに参加したがホロトロピックネットワークの天外伺朗さんの話はおもしろかった
今週の週刊現代にも「天外伺朗が提言 「1ドル=50円時代」の準備をしなさい」という記事が掲載されていた
以下は彼のコラムからの抜粋である


 国会議員との勉強会の名称が「パラダイムシフト研究会」なだけあって、国の評価がGDP(Gross Domestic Product)からGNH(Gross National Happiness)へシフトすること、アメリカの金融業界を中心にした「ギャンブル資本主義」から脱却しなければいけないことは、メンバーにはよく理解されました。そのための方策として「地域通貨」によるローカル経済の活性化と市場の正常化、信頼の回復などを提案していますが、これは理解できる議員さんは半数以下でした。
 おそらく、いきなり「地域通貨」と聞いてもなかなか理解できるものではありません。議員さんでもそうなんですから、ましてや一般大衆が理解するまでには相当時間がかかると思います。

GNHという言葉は、ブータンの国家スローガンで有名になった
ブータンという国は、人口69万人の小さな王国で国土は九州より少し広いくらいで主要産業は、農業、林業、牧畜業で、農業と牧畜業とで、国内総生産(GDP)の約40%、就業人口の約85%を占める、国民の90%以上の人が「自分は幸せである」と解答することから今、注目を集めている
ブータンの視察に訪れる人が1番多い国がGDPナンバーワンのアメリカであることは皮肉な話だ
天外さんの言うように日本は、GDPではなくGNHをいかに高めるかを議論していきたい
その中で「地域通貨」の普及は一つの鍵だと考えている
私も「安房マネー」という地域通貨を使い始めたのだが、人と人との繋がり、信頼関係を築くのにはものすごく有効である
但し「安房マネー」は地域の経済効果を上げる役割としてはまだまだ課題を残す感じはする
日本でもシャッター街が増える商店街で足立区の東和商店街が発行した「地域通貨」は地域に年間4億円流通したというような成功ケースが出始めている
日本再生のために「地域通貨」は大きな可能性を感じる
実質通貨があまりにも不安定でグローバルになりすぎ地域で回転しなくなってしまったので、地域を活性化させ人と人との信頼関係を取り戻す「地域通貨」が今後普及すると私は考えている
人は、人との繋がりがなくなったとき不安になったりエネルギーをなくす
近代社会は便利でお金であらゆる事を解決できるようになった結果、人と人との関係性が希薄化してしまった
今の日本に必要なのは、人と人とが繋がっているという実感だ
それは、もともと私たちが持っていたものなのだから


地域通貨「安房マネー」

カテゴリ:時流, 時流      2009年11月11日

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地域通貨「安房マネー」を始めた
安房マネーは、南房総を中心に約230名が参加している

法定通貨と違い、地域通貨は地域や特定の組織が自主的に発行しているものが多く法定通貨が、大企業や大都市にお金が集まりやすいのに対し、地域通貨は特定の地域やコミュニティで流通するので地域に通貨が残りやすい
最近、店のチェーン化が進んでいるのでその地域にお金が残らない仕組みになっており大企業の本部がある地域にお金が益々落ちるようになってきている
また、サブライムローンが引き起こした金融危機、ヘッジファンドの横行等、仮空経済は実経済の10倍以上に膨らんでおり行き過ぎた金融システムが社会混乱を引き起こしている


安房マネーの使い方は様々だが、その人が外出する時に子供を預かったり、稲刈りを手伝ってあげたり、パソコンの使い方を教えてあげたりと自分たちのできることをお互いに提供し合いながら、コミュニケーションをはかる道具として活用できる

リーマンショック以降、グローバライズからローカライズ、仮空経済から実経済、地産地消へ向かっている感じがするのだが、人と人の信頼関係を築く道具、行き過ぎた貨幣社会を修正する道具として地域通貨をはじめてみたい

捨てるよりシェアへ

カテゴリ:時流      2009年7月 1日

今週の日経新聞1面の「家計の選択」という特集記事が興味深かった

内容を要約すると
・昨年末、イトーヨカドーが火をつけた下取りセールは百貨店、専門店に一気に広がった
「まだ使い切っていないもの、企業会計で言えば原価償却の資産を処分する喪失感を消費者の心から取り除いたことが大きい」

・家具・家電レンタルのアムスなんでもリースが前年対比2割で伸びている
「買うより、シェア。捨てるよりシェア。耐久消費財を所有するデメリットを避ける知恵が広がっている」

・冠婚葬祭も聖域ではなく、火葬場などの部屋を使って10人程度で故人を忍ぶ「直葬」を日比谷花壇が始めたり、結婚式でも「写真だけ」「指輪交換だけ」などの「アラカルト婚」が広がる
「見栄や体裁を捨て、不要と判断した儀式、サービスをばっさり切り捨てる、そんな消費者の判断基準が垣間みえる」

消費社会研究家の三浦展氏は、「物を買わない、使わない、エコやレトロ、中古品や手つくり品が好き」という価値観の持ち主が年々増えているといい「シンプル族」と命名した

先日、友人の大手流通系コンサルティング会社に勤める友人と食事していた時も、上記傾向を語っていた
「シェアリング」「共同体」「所有から利用」、このキーワードは今後のライフスタイルのキーになると考えられる

今、「農あるくらし」を求めて東京から200K圏内で農地付きの古民家を探しているのだが
庄屋の跡家で、3世帯はシェアリングできそうな家が栃木県茂木で2万円で貸しに出ていたりする
また、伊豆の市役所からぜひ使ってほしいと以前企業が使っていた保養所物件の情報が来るようになってきた
もっとも、このような案件は市場には出てこないのだが、人脈をたどったり足で探せばかなりある
「完全自給自足」的なハードな目標を掲げるとハードルは高いが、月2万円なら、みんなでセカンドハウス感覚、別荘感覚で借りて、軽く畑を作って生産物をシェアリングしてもおもしろい
そんな時流である

企業の財務指標、経済指標だけを見ていると悪い数字が目立つが、20年後の日本の消費構造が様変わりするような、大きなライフスタイル転換が起き始めている

農業プロジェクト

カテゴリ:時流      2009年6月19日

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最近、ZUTTOの農業プロジェクトに刺激されて農業を始めた

ZUTTOと同じ農業の師匠に弟子入りをして、農薬、化学肥料を使わない自然農業を目指している

有機農業は、新規参入組みが本当に多い(有機農業は全体の約3%)

既存の農家には、農協というシガラミがあり大半の農家が変化したくともできてない
曲がったきゅうり、にんじんは今だに出荷できない地域が多い

「奇跡のりんご」の木村氏の著書が売れているが、彼のような著書が売れるのは今までの、日本では考え難かった
これは、金融中心の経済から実経済に移行しているのと食に対する危機感だと私は分析している

・中国が事実上の農業輸入国になった
・オーストラリアも環境変化の影響で旱魃が続いている
・アメリカは、大規模農法のツケが回り地下水から汲み上げる井戸の深さが増し塩害が起きている(地下を掘れば掘るほど塩が多くなる)

私自身が、今回の金融ショックで変化が起きた
本当に必要なものが何なのかを、再び確認した

それは、23年間にニュージーランドに住んでいたときに感じたものだ
当時、ニュージーランドの人口が400万人程度で、自給自足率が100%以上、土地の価格も安いので、生活支出の家賃、食費が占める割合が日本のように高くはない
そうすると、あくせく働かずとも、生計が成り立ち幸せを感じる
当時のニュージーランドのGDPは低かったがGDH(国内総幸せ指数)が日本とは比べられないほど高かった
翌年、日本に戻り大きなギャップと矛盾を感じた

今、農業、自給自足的生き方がトレンドのようになっており、「田舎ぐらし」等の雑誌が飛ぶように売れているのは、日本人が何があれば幸せかということを、再び考え始めた結果だと思う

そんな中最近、私が出会ったおもしろい人、著書は、経営的なモノ以外が多い

安曇野パーマカルチャーの臼井氏
くりもと地球村の佐藤氏

「ニンジンから宇宙へ」の著者である赤峰勝人氏
「わら一本の革命」の著者である福岡正信氏等

最近の日本は政治家、官僚のレベルが低いので、日本をリードしてきたのは経営者だったが、これからの日本をリードするのは循環型社会を目指す上記のようなタイプかもしれない

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桐谷晃司

1964年生まれ。スタートアップスクエア(株)、デジパ(株)代表取締役社長。世界30ヶ国を放浪した、自称スピリチュアルビジネスマン。

現在は南房総の千倉町で半農半Xな暮らしを目指しながら、循環型のエコビレッジ「あわ地球村」を創設中。

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