新しい「住」のありかたを考えるYADOKARI代表のさわだいっせいさんへのインタビュー。第2回目では、どんどん新しいことを生み出すYADOKARIの"チームビルディング"にお話が展開しました。

さわだいっせいさん

さわだいっせいさんのプロフィール

YADOKARI LLC 共同代表兼アートディレクター

1981年兵庫県生まれ。逗子市在住。2012年「YADOKARI」始動。世界中の小さな家やミニマルライフを紹介する「未来住まい方会議」を運営。2015年3月、250万円のスモールハウス「INSPIRATION」発表。その他、全国の遊休不動産・空き家のリユース情報を扱う「休日不動産」、北欧と日本のライフスタイル雑貨店「AURORA」を運営。

アイデアは「纏めない」
それぞれがしたいことをする=YADOKARI

(聞き手/デジパ:桐谷、木下)

桐谷:YADOKARIを始めて、自分の生き方はどう変わりましたか?

さわだ:僕は子供の頃から、常に大きな夢を持っていました。チャレンジしては玉砕しての繰り返しで(笑)。社会人になってからも起業するという目標は持っていましたが、どの分野で戦えばいいのかということをずっと探していた状況でした。3年程前からYADOKARIを始めて、今ではたくさんの人が共感してくださり、これから永く続ける最高の土俵が見つかったという感覚です。自分が本当に欲しいと思う暮らしを突き詰めていくということが、並行して少しでも社会の役に立つなら、そんな幸せな生き方はないですよね。

桐谷:今YADOKARIは本当にメディアの露出度も上がりましたね。YADOKARIではアイディア創発はどのようにしているのですか?

さわだ:アイディア創発のフォーマットはありませんが、YADOKARIでは、編集部のことを「YADOKARI Lab」という名前で呼んでいます。ポリシーとして「常識の枠にとらわれず挑戦するチームであり、社会に対して波紋を起こす存在である」と明文化をしているんです。基本的には、アイディアとか企画とかビジネスモデルに関しても前例のないものや、まだ市場がないものにチャレンジしていこうというスタンスでやっていて、僕自身はナチュラルに「前例のない」ということに燃えるタイプなのですが、他のメンバーはもっと左脳的に、敢えて暴投を投げてみるみたいな企画を出してくれることが多いんですよね。おそらく周りから見ると、それが「あ、YADOKARIまた変なことしてる」「面白いな」「気になるな」というようなYADOKARIらしさみたいなものを形成している気がします。

桐谷:メンバーの価値観やキャラクターはみんな違うの?

さわだ:キャラクターは違いますね。仕事を与えてそれから動くような人はいないです。みんなそれぞれが自発的に勝手に何かをしているという感じです。
ただビジョンだけは共有して、そこはその先の全体像を意識しつつ動いています。

桐谷:ラボ型があって、そのラボを各自が実験し続けている感じですか?

さわだ:そうですね。それでも別に纏めようとは思っていなくて、それぞれがしたいことをする=YADOKARIだろうと。そのセンスを信用して一緒にやっているメンバーなので、その人が思いっきりやってみたいと言えば、もうそれが全てなんですよね。

桐谷:シードの時期からそういったスタンスで活動していたんでしょうか?

さわだ:シードの時期は、共同代表であるウエスギと2人で活動していたので、纏めずに毎週何時間も話すことをひたすら続けていました。そもそも纏める時間もないですし、これがやりたいならやってみよう、ただそれだけなんです。
それに僕とウエスギでは役割が全然違かったんですよね。僕はどちらかというと、こういう方向に行きたいと発想をする。そしてウエスギがあとからどういう戦略でいけば到達できのるかを、ロジックで考えてくれるので、役割分担がしっかりと分かれていました。そういう意味で、本当に良いパートナーだなと感じています。

YADOKARIのチームビルディング
それは「マネジメントしないマネジメント」

桐谷:チームの中で意見が分かれたり、ABどちらを選ぶのか、という議論もプロジェクトを進めていく中ではありますよね。私が今運営しているココロザスという起業支援を行っているチームだとそれが顕著で、フォローにものすごい時間が掛かっているんです。
YADOKARIでは、意見が分かれたときはどう対応していますか?

さわだ:若干意見が分かれたとしても、その熱量が強い方に自ずと流れていくのかなと思ってるんです。本当にやりたい人は、リーダーシップなんてなくともその熱量だけでなんとなく引っ張っていけるし、その姿を見たらみんなついていく、という感覚です。マネジメントしないマネジメントですね。

桐谷:「マネジメントしないマネジメント」。これは正しいと思います。

さわだ:これは桐谷さんから学んだのかもしれません。悪く言うと放ったらかし(笑)。

桐谷:これは野放し経営って言われてますよね。確かに色々なアイディアがあって、どれを取っても良いと思うんだけれど、やはり重要なのはその熱量ですよね。

さわだ:そうですね。
YADOKARIのメディアはある程度早い段階から盛り上がったんですが、実際にスモールハウスをつくるというのは、当初3年前から言っていたけど、全然進まなかったんですよね。でもある時に「このままじゃだめだ」とパチっとスイッチが入ったときに物事が一気に動き始めた。いろんなデザイナーが協力してくれたり、プレハブメーカーが一緒にやりましょうと声を掛けてくれたり。静かだった波が一気に押し寄せて来たんです。クラウドファンディングでは300人の方から320万円が集まり、販売も開始できました。ただ旗を立てるだけではだめで、自分がどれだけ熱量をもってそこにコミットしているかということも重要です。

YADOKARI LLC共同代表であるデジパプロデューサーのウエスギ氏も交えたひとコマも。

今回の取材では、デジパでディレクターとして活躍しているメンバー渡部の、神奈川県葉山町にある自宅兼アトリエをお借りしました。

次回に続きます

第1回目のインタビューはこちら

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