2011年の田んぼプロジェクトが終了

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2011年の田んぼプロジェクトが全て終了した
今年は、昨年より田んぼの作付け面積を増やし、田んぼオーナー制度には20名が参加してくれた
田んぼオーナー制度の目的は、都市の人と耕作放棄地の田舎を結ぶこと、都会の人が米の自給を実現すること、「結い」の精神を取り戻し食料自給の楽しさを味わうこと
以上の3点で、年間に5回の田んぼのワークショップに参加してくれれば米の自給ができるように今年はプログラムを組んだ

田んぼは、畑に比べて楽である
畑は、まめに面倒を見る必要があるので月に1度の作業で自給というわけにはなかなかいかない
ベランダでトライする方がおもしろいかもしれない
私も、東京在住時代に長野の安曇野で畑を借りてチャレンジしたが月に2回のペースでは、常に草から作物を救出する作業ばかりで一向に実らず草刈ばかりしていた記憶がある

大人1人が食べる年間の米の量が60キロと言われている昨今、都心の人が思っているほど自給用の米をつくることは難しくはない
大きく分けて5つの工程に分かれる
まず、私が運営する「NPO法人あわ地球村」の位置する南房総では4月の中旬に「代掻き」(水を入れた田んぼをトンボで平らにする作業)、5月初旬に「田植え」、「除草」を田植え終了後、週に1回、田車という手押し車を使って4週間行う
6月に入ると、稲の分結が始まるので田んぼには入らずにその後3ヶ月は、ひたすら祈る、声がけをする、9月中旬に「稲刈り」を行い竹で米を干す台を組んで米を天日で干す、9月下旬に「脱穀」
以上の5工程である
私たちは、無農薬、無化学肥料で行うので1反あたり出来高が約6俵(360キロ)つまり大人6人分が年間で食べることができる米が収穫できる(農薬、化学肥料を使っているご近所さんは約8俵を収穫)
4回の除草を6人でシェアリングすれば、5日で米の自給ができる計算になる

人間が生きていく上で必要なものは「食」である
これを自給できると何ともいえぬ安心感が生まれることをある日、私は知った
「半農半X」という生き方をお勧めしているが、食をある程度自給すると何かにしがみつく必要がなくなる

今、世界中でデモが起きはじめたが、GDP1位のアメリカニューヨークで始まった反格差デモ「ウォール街を占拠せよ」は10月16日にかけて米国内で拡大し、ニューヨーク最大の繁華街タイムズスクエアには数千人があふれ、暴徒化した参加者がAP通信によるとNYで80人逮捕、シカゴでは175人が逮捕された
GDP3位の日本でも、経済格差の拡大に抗議する米国の運動「ウォール街を占拠せよ」に呼応したデモや集会が15日始まり東京都内では、若者らが「OCCUPY TOKYO!(東京を占拠せよ)」と書かれた横断幕を掲げてデモ行進をした 
これは、国民の怒りである 
3.11の震災以降、被災地支援、放射能問題を通して国と政治家が国民を守るわけではないということを国民がはっきりと知ってしまった
そして、大手メディアが事実を伝えているわけではないということを
国の優先順位としては「国民の命と生活」が1番で「経済」は次のはずである
私も被災地に、毎月通う間に日本を動かすトップ集団のお粗末さを嫌というほど見せつけられた

日本でも、少し前までは額に汗水流せば誰もがそれなりに生きていくことができた
だが、2008年のリーマンショック辺りから日本のこの神話も怪しくなってきた
2008年の暮れあたりから日比谷公園に「派遣村」なるものが誕生し、夜露を凌ぐテントと空腹を満たす食事を求める非正規労働者で溢れた

いよいよ日本も、GDPからGNH(国民総幸福指数)を目指す時代に入ったのだろう
国が信用できない以上は、自分の身は自分で守るしかない
でも人間は1人では生きていけない、「結い」の精神を取り戻し本当の自治区を作る時代が来たことを感じる