本文へジャンプ

 天外 伺朗さん

カテゴリ:時流      2010年5月18日

IMG_5945.jpg

昨年、私が影響を受けた人の一人に天外伺朗氏がいる
彼は、ソニーにおいてCD(コンパクト・ディスク)の開発者やエンタテインメントロボット「AIBO」「QRIO」の製作総責任者として知られ、2006年まで同社上席常務を務める
ソニー在席時から数多くの執筆をこなし、著書に関連した多分野の講演を行うほか、氏が開塾した「天外塾」では多くの経営者を指導している
先日は、天外氏と地域通過に関して議論した
今、私が住んでいる房総では「awa money」という地域通貨が盛り上がっているので、地域通貨が日本を再生する大きな役割を果たすのではないかと質問した
それに対して
「日本円は日本円でしっかり経済を支えている一方で小規模にやろうとする、もちろんそれによって人々のコミュニケーションや信頼を勝ち取るという姿勢は受け継いだらいいと思うんですけど、それとは規模がちがいますね。
経済の半分以上を地域通貨が支えるようになれば、いわゆるギャンブル資本主義から離脱できるのではないかということを私は言っています。
その他にギャンブル資本主義から離脱できる手立てがない。
まずはグローバリゼーションから離脱してローカル中心の経済になる。これは昔に戻るようなことで、当然効率は悪いです。でも効率よりも信頼を重視した社会にしようじゃないかということです。
いまはどうやってもそのグローバルの中でやっていくのは無理ですよ。昔のやり方で日本経済を復活させるというのは僕は無理だと思ってる。
たとえば中国で財政上の投融資といって道路や橋をつくったら、それは経済に一定の効果があるので非常に有効でも、日本というのはインフラはもうほとんど完備してるから投資先がない。
それにいまの政府のようにお金をばらまいても、貯蓄をする人もいるし、物を買ったとしても、それがMADE IN CHINAだったりする。それはつまり日本経済に貢献しないんですよ。
あるいは規制緩和で企業の活性化を図っても、これまでだったら従業員の給料が上がって購買意欲が上がり、経済が活性化するということがありえたけれども、いまは中国と戦わなくてはいけないから給料上げてるわけにいかない。かつて有効だったどの手をうってもいまは効かない。給料が10分の1の国と戦わなくてはいけない状況で、勝てるわけないんですね。
グローバリゼーションから逃れて、ローカルな経済がそれぞれ活性化していくということ。それの道具として地域通貨しかないというのが僕の発想なんです。
そして地域通貨は、目減りする仕組みにする。目減りするからこそ活性化するわけですよね。みんな貯金しないで使いますから。」

天外氏の、地域通貨に関する話は久しぶりにおもしろかった
あと、このジャンルでは「エンデの遺言」に感動した
ますます、地域通貨に可能性を感じるこの頃である

Twitter この記事をTwitterでつぶやく  はてなブックマークに追加 この記事をブックマークする

このページの上部へ

この記事へのトラックバックとコメント

トラックバック

トラックバックURLhttps://digiper.com/kirilog/mt/mt-tb.cgi/373

トラックバックはありません。

コメント

コメントを投稿する

コメントはありません。

コメント投稿フォーム

※ コメントは承認後の公開で即時反映はされません

お名前 必須
メールアドレス 必須 (非公開)
コメント 必須

このブログをフォローする(RSS)

桐谷晃司

1964年生まれ。スタートアップスクエア(株)、デジパ(株)代表取締役社長。世界30ヶ国を放浪した、自称スピリチュアルビジネスマン。

現在は南房総の千倉町で半農半Xな暮らしを目指しながら、循環型のエコビレッジ「あわ地球村」を創設中。

  • スタートアップスクエア
  • あわ地球村
  • digiper
カテゴリ一覧
年別一覧

このページの上部へ